外構の手抜き工事について

外構は、見た目だけでなく機能性や耐久性も重視しなければいけませんが、手抜き工事や不適切な施工が行われてしまうことがあります。外構工事を依頼する際は、手抜き工事をしない業者を選ぶことがとても大切です。知識として外構の手抜き工事についてチェックしてみてください。
外構の手抜き工事とは?
外構工事で手抜き工事が行われやすい場所は、カーポート・ブロック塀・駐車場などです。それぞれどのような手抜き工事が行われやすいのでしょうか。
①駐車場の手抜き工事

手抜き工事は、駐車場をつくるときに問題となることがあります。通常、コンクリート舗装を行う際は、厚さが10㎝以上必要でこの厚さがあれば、駐車場は重い車両の通行にも耐えられますが、手抜きを行う業者は、コンクリートに適切な補強や配合を怠ったり、適切な厚さを確保しなかったりします。これにより、耐久性や耐荷重性が低下し、数年後にはひび割れや劣化が顕著に現れてしまいます。手抜き工事は見抜くのが難しく、完成後はすぐには問題が表面化しませんが、時間の経過と共に明らかになってきます。
②カーポートの手抜き工事

カーポートの手抜き工事も基礎部分に関わります。カーポートは重いため、しっかりとした基礎工事が欠かせません。しかし、見えない部分だからといって、業者が基礎工事を手抜きすることは珍しくありません。主な手抜き方法は、コンクリートの厚さを減らすことです。基礎工事が不適切な場合、カーポートは台風や雪の影響で傾いたり倒れたりする危険性が高まります。屋根があるため、カーポートは風や雪の影響を受けやすい構造ですので、安全に影響が及びます。
③ブロック塀

ブロック塀も手抜き工事が多いです。一見すると頑丈に見えますが、実は基礎部分で手抜きが行われていることがあります。ブロック塀の基礎は土台をしっかり作ることが必要ですが、手抜き工事では基礎工事が簡略化されます。完成後、素人目には基礎の状態がわかりにくく、1年以内に傾きやヒビが入るなどの問題が表面化します。見た目だけでなく、基礎部分のしっかりした施工が重要です。
④塗装
塗装工程も手抜きが起こりやすい箇所です。一般的には2度塗りが必要ですが、手抜き工事では1度しか塗らず、使用する塗料量を削減して塗装代を節約するケースがあります。見た目ではすぐに気付きにくく、完成後に2度塗りがされたかどうかを確認することも難しいため、手抜き工事がよく行われます。
⑤見た目の仕上がりが悪い
手抜き工事は、見た目ではすぐに気づきにくい箇所だけでなく、仕上がりが悪い場合もあります。職人の技術不足や人手不足により、仕上がりが美しくないことがあります。また、納期の優先コスト削減のために手を抜いた結果、品質が低下することもあります。さらに、顧客のイメージと異なる場合もありますが、これは業者の技術不足だけでなく、事前のコミュニケーション不足や素材の違いによるものも考えられます。イメージと実物の違いがある場合、手抜き工事とは限りませんが、注意が必要です。
どうして手抜き工事が起こるのか?
①営業が利益のみを追求している
業者が利益追求のために手抜き工事を行うケースがあります。工事費用は相場通り提示しつつ、工程の省略や材料の削減、安価な材料の使用などで利益を確保します。目に見える部分ではなく、基礎や鉄筋といった見えにくい部分で手抜きを行うことが一般的です。
②顧客が安さを求めすぎている
依頼主が安さを求めすぎると、業者が手抜き工事に走るリスクが高まります。工事業者は多くの依頼を受けるためにコストを削減し、手抜き工事につながる可能性があります。安さを追求しすぎると、結果的にトラブルが生じやすくなります。
③工期が短い
工期があまりにも短いと、手抜き工事が生じる可能性が高まります。業者は採算を取るために急いで工事を終わらせることがありますし、依頼者の強い要望によっても工期が短くなることがあります。どちらの場合でも、工程を省略して間に合わせる必要が生じ、結果として手抜き工事につながります。
手抜き工事を防ぐ方法
①十分な予算の確保を行う
予算をしっかり確保することは、手抜き工事を防ぐ重要な方法です。予算不足だと安さだけで業者を選んだり、無理な要望を通したりする傾向があります。特に新築住宅では、外構に十分な予算を割けない場合があります。外構デザインを決める際は、予算を把握したうえで業者と相談しましょう。予算が決まっている場合は、その範囲内での施工内容を詳しく確認しましょう。
②外構に関する知識を身につける
外構工事に関する知識を身につけることも、手抜き工事を防ぐ大切な方法です。プロに任せる際には、提案を盲目的に受け入れず、外構工事の基本的な流れや費用相場などを理解しておくことが大切です。また、打ち合わせの際に疑問点や不明点を積極的に質問することで、手抜き工事を防ぐことができます。
③工事の様子をチェックする
工事現場を定期的に訪れ、工事の進行状況や品質を確認することも手抜き工事を防ぐ方法の一つです。特に基礎部分など見えない部分での手抜きは見逃しやすいため、自分の目で工事の様子をチェックすることが大切です。事前に「毎日見に来ます」と伝え、実際に少しでも見回ることで効果があるでしょう。
④信頼できる業者を選ぶ
信頼性の高い外構工事業者を選ぶことは、手抜き工事を防ぐうえで最も重要なポイントです。見積りが詳細かつ明確であり、説明が丁寧であるか、担当者がしっかり話を聞いてくれるか、施工知識が豊富かなどを確認しましょう。また、近隣エリアで活動している会社は、地域の気候や環境にも精通しており、問題が起きた際の緊急対応も頼みやすい傾向もあります。外構工事を依頼する際は、様々な視点から検討することをおすすめします。
手抜き工事は外構でも起こることがあります。見えないところでの簡略化や人手不足、職人の実力不足が原因です。信頼できる業者を選ぶことが重要で、安さを追求しすぎないことも大切です。予算を確保し、外構に関する知識を増やして、手抜き工事を防ぎましょう。