外構を分離発注するべき理由

新築で家を建てる際、建物とは別に重要になってくる部分が外構です。家と外構が伴って初めてマイホームが完成します。
多くの人は建物だけに時間を注ぎ、「とりあえず駐車場だけ作ろう」「庭部分は自分でやろう」など、外構が疎かになりがちです。
しかし、外構は、快適な生活を送る上でとても重要な役割を果たします。デザインや設備で見た目の印象も大きく変わってしまいます。「予算が・・」「本当はこうしたかった・・」など後悔がしないようにするにはどうすればよいのかご紹介します。
外構工事で失敗する人が多発してしまう根源
ハウスメーカーは外構工事のプロではない
ハウスメーカーに新築を依頼して、ついでに外構工事も行ってもらう方も多いでしょう。
しかし、ハウスメーカーは外構工事のプロではなく、あくまで家を建てることに関しての専門家です。
ハウスメーカーでは、社内に外構工事に対応できる職人がおらず、打ち合わせ以外は、社外の外構工事業者が行っているケースがほとんどです。
また、ハウスメーカーは基本的に、外構工事を下請け業者に依頼しています。そのため打ち合わせを行うスタッフが、エクステリアに関する知識を十分に持っておらず、できる工事 or できない工事を判断できないことが多いです。


実際の生活を十分にイメージできていない
外構工事を依頼する際、「とりあえず駐車場があれば良い」「カーポートは後でもいいか」などの漠然とした考えを持ったまま工事を依頼すると、実際に生活を始めてから不便な部分に気づいたということが起こります。実際の生活風景を十分にイメージできていなかったことで起こる失敗です。
また、デザイン性ばかり重視した場合も同様の失敗が起こります。
外観も重要な要素ですが、生活とのバランスを意識して、暮らしの動線や機能性も十分加味して外構プランを考えましょう。


外構工事の費用とそのカラクリについて
外構工事の費用と、なぜ費用の確保が必要なのか、そのカラクリについてご説明します。
多くの場合、外構工事にかかる費用は、住宅建設費用の1割ほどと言われています。
工事の内容や規模によって変動しますが、費用感的には100万円~300万円程度の印象です。しっかり塀を作る、庭に通じるウッドデッキを作る、こうした希望に応じて費用も上昇します。


ここで注意が必要なのが仲介料(中間マージン)です。外構工事をハウスメーカーに丸投げでお願いすると、余分な中間マージンが発生し、20~30%程度費用が高くなってしまうのです。
多くのハウスメーカーでは外構工事を下請け業者に依頼しています。直接外構業者に依頼する場合、仲介料は発生しませんが、ハウスメーカーを間に挟むことで費用が上乗せされてしまいます。
直接外構業者に依頼をすれば可能だった理想の外構が、ハウスメーカーに依頼することで余分な費用が発生し、当初予定よりもスケールダウンになってしまうケースもあります。
外構工事も住宅同様、想いの数だけ打ち合わせ回数の手間や時間はかかってしまいますが、先々長い時間を過ごすことになるマイホームなので、ぜひ妥協せず納得のいく外構業者を探すようにしましょう。
外構工事を専門業者に依頼するメリット
仲介手数料(中間マージン)がかからない
先述したように、料金面で不安がある方で、ハウスメーカーで外構工事をご検討されている方は気をつけてください。
打ち合わせの際、営業マンと値引交渉をするかもしれませんが、その値引いた分の費用は、ハウスメーカーから依頼された工事を担当する職人さんの賃金に響きます。自社の売上を残し、下請けには少ない賃金で施工するよう提示するのです。
そうした場合どうなるかというと、もちろん職人さんのやる気は下がります。さらに、時間をかけてもお金にならない仕事は手抜き工事へとつながりがちです。数年後、最終的に被害を被るのはお客様になってしまうのです。
全てのメーカー・職人さんがそうではないですが、こうしたハウスメーカーからの下請け案件でよく発生する事例です。
逆に、外構専門業者へ依頼する場合は、そうした余分な費用が発生しないので、純粋にプラン内容に沿った見積もりとなり、各社比較検討する際もチェック材料がわかりやすくなります。


対応が早い
ハウスメーカーの場合は、複数の部署や業者を挟んでやり取りすることになるため、細かいことに対する対応が遅くなりがちです。さらに、営業マンの知識不足により、必要な物が見積もりに入っていない、不必要な物が見積もりに入っているなどのミスにもつながります。
一度施工してしまった工事はやり直しもきかないため、余計な費用がかかってしまうこともあります。
外構専門店にお願いをすれば、お客様と直接の打ち合わせを行いますのでしっかりと話を聞いてもらえます。


希望が叶えやすい
分離発注では、「建て主≒現場監督」的な立場となるため、それぞれの専門業者と直接コミュニケーションをとる必要があります。その分、意思の疎通がしやすく、自分の要望も伝えやすくなるので、「でき上ったものが要望と違った」「イメージと違った」といったトラブルを避けることができます。
また、施工内容についても、専門知識があるため施工の可否をその場で回答を得やすく、費用感なども把握している場合が多いので、ある程度イメージが固まっている場合には、打ち合わせはよりスムーズに展開します。


以上、今回は、外構工事の分離発注についてまとめてみました。
外構・エクステリア工事は、外構専門業者に依頼することで、お客様にとってもお得になるケースが多々あります。各社打ち合わせをしていく中で、得手不得手な部分も見えてくるかと思うので、改めてご家族のライフスタイルに照らし合わせて、お気に入りの外構プランを一緒に作り上げていってみてください。
新築外構工事のポイントや外構工事の費用の目安も参考にし、おトクな外構づくりをぜひ実現してみてください。