新築外構工事で失敗しない方法
新築住宅を建てる際、家の本体工事に比べ、どうしても疎かになりがちな外構工事。
外構工事は、思いのほか費用がかさんだり、望み通りにならなかったりと、理想の外構を手にするまでに様々な悩みが発生するのも事実です。
今回は、そうした悩みを少しでも解消できるよう、新築外構の予算や外構業者選びなど、失敗しない新築外構工事の秘訣を実際の外構施工事例と共にご紹介していきます。
新築外構工事の重要性とメリット
家の外まわり空間を演出し、機能性も向上してくれる外構工事。外構を装うことで、日々の暮らしもより充実したものへと生まれ変わります。ここでは、そんな魅力ある新築外構工事の重要性とメリットについてご紹介します。
1. 家まわりの景観アップと個性の演出
新築外構工事を行うことで、住宅外観をさらに引き立てることが可能です。駐車場スペースやフェンス、カーポート、照明などを適切に配置することで、家の個性をより際立たせ進化させてくれます。
外構を整備することで、家の資産価値を向上させるだけでなく、日々目にする外構空間に親しみや喜びを感じるはずです。
2. 住環境機能の向上
新築外構工事は、住環境を向上させることにも役立ちます。使いやすい駐車スペースや居住空間のプライバシーの確保、ウッドデッキ設置等による庭の使い勝手向上など、生活をより快適にすることが可能です。
また、照明設備を設置することで、夜間の安全性や地域の防犯にも役立てることができます。
3. ライフスタイルの充実
新築外構工事は、暮らしをさらに豊かなものへと進化させてくれます。お庭でバーベキューを楽しんだり、ウッドデッキでくつろいだり、ペットたちが安全に遊べる場所を設けたりと、リラックスして楽しい時間を過ごすためのスペースをつくることで、ライフスタイルをより充実したものに近づけてくれます。
新築外構時の予算設定と資金計画
新築住宅の外構工事予算を決定する際はバランスが重要です。予算を過小評価すると、希望する外構を実現できないかもしれません。逆に、過大評価すると無駄な出費が生じてしまい、住宅本体の工事予算が足りなる場合も・・。
では一体、外構工事にどれくらいの予算を割くべきなのでしょうか?
ここでは、新築外構の予算設計についてご紹介していきます。
1. 外構予算の目安
外構工事の予算は、一般的に住宅本体価格の8%~15%が目安と言われています。これにより、外構にある程度の予算を割くことができ、お庭や実用的なタイルデッキなどの外構設備を実現することができます。
現実的な外構予算を設定するためには、以下のステップが役立ちます。
2. 予算設定のステップ
外構業者に相談する
希望をもとに外構業者に相談し、具体的なプランや外構費用の見積もりを取りましょう。
専門家のアドバイスを受けることで、全体の費用感や相場とのギャップを知ることができます。
時間があれば各社に相談して、どういった工事に費用がかかるか、どういった仕様なら費用削減できるかなど、プラン内容と併せて確認してみましょう。
予備費用の考慮
外構工事に関連する予備費用(設計変更・予想外の工事対応への対処等)も考慮に入れましょう。
見積時と依頼時の材料コスト差など、想定外の費用が発生する可能性もあるため、予算に余裕をもたせておくのが賢明です。
3. 資金計画の立て方と注意点
外構予算が限られている場合、優先順位を設定することが大切です。必須の要素や設備から始め、余力があれば追加の内容を検討するようにしましょう。
適切な予算設定をすることで、理想的な外構を実現し、住まいの価値を高めることができます。
計画性を持った取り組みで、工事が予算内で納まるよう成功に一歩ずつ近づけていきましょう。
外構デザインの決め方
外構デザインは、住空間に個性と魅力を加える重要なポイントになります。ここでは、外構デザインを決める際のポイントを簡単にご紹介します。見た目と機能性を持たせた外構空間を見つける方法を探っていきましょう。
1. ライフスタイルに合わせる
外構デザインに、ご家族や自身の生活に適した要素を取り入れることで、より使いやすく身近に感じる外構へと近づきます。家族構成や趣味に合わせてデザイン様式を考えてみましょう。
2. テーマを持たせる
外構デザインにテーマを持たせることで統一感をあるカタチを構築することもできます。シンプルで洗練された「モダン外構」、西海岸テイスト溢れる「アメリカン外構」、屋外スペースを存分に生かした「アウトドアリビング外構」など、テーマを絞ることで業者もイメージを膨らませプランが作りやすくなります。
デザインテーマによって、門柱や玄関アプローチといった顔となる部分の装いも全く変わってくるので、大まかなイメージだけでも考えておきましょう。
3. 季節と気候を考慮する
外構は、季節や風土によっても変化します。選ぶ植栽やエクステリア商品が、風や雪など地域の気候に適していること(耐雪・耐風)を事前に確認するようにしましょう。カーポート・フェンス・テラス屋根は特に注意が必要です。
4. 外構スタイルで選ぶ
デザインの方向性がなかなか決まらない場合は、外構スタイルから選ぶ方法もあります。外構スタイルには、「オープン外構」「クローズ外構」「セミクローズ外構」があるので、それぞれのメリット・デメリット&費用感を照らし合わせながら検討してみるのも良いでしょう。
外構業者選びのポイント
外構工事はどこに依頼するかで、費用や工事の質も大きく変わってきます。
家の「顔」ともいえるエクステリア工事において、外構業者選びは非常に重要で信頼できる業者を選ぶことが大切です。ここでは、外構業者を選ぶ際のポイントを紹介します。
1. 外構プランの内容と理解
自身が求める外構デザインや機能性が網羅されているか確認しましょう。予算ばかりに気を取られ、利便性が劣ってしまっては本末転倒です。先に挙げた優先順位を参考にし、取捨選択しながら外構プランを練っていきましょう。
2. 外構予算と見積もり
新築外構工事では複数の業者から見積もりを取り、予算感の合った業者の中から比較・検討するようにしましょう。見積金額が低すぎる場合は、職人の質が低い場合もあるため、後悔しないためにも品質面も考慮することが大切です。
3. まめな連絡と報告
打ち合わせ時のコミュニケーションが円滑かどうかも重要です。連絡&報告が途切れがちな業者の場合、工事後のトラブルに発展するケースも多いので注意が必要です。
4. 契約内容と支払い条件の確認
契約条件や保証を確認し、詳細を文書で確保しましょう。規模の大きい外構工事で工事代金の支払いを工事前に一括請求する業者は、資金繰りが怪しい場合があるので注意が必要です。
新築外構工事の工事期間について
新築外構工事にかかる期間は、一般的に2週間~1か月程度で工事が完了するケースが多いですが、敷地の広さや工事内容によって大きく変わります。ここでは、新築外構工事にかかる工期について、外構スタイルや工事内容ごとの工期目安をご紹介します。
1. 外構スタイルによる工期の違い
前述したように、外構工事には3つのスタイルがありますが、そのスタイルによっても工事期間が変わってきます。
希望する外構スタイルがどのくらいの工期を必要とするのか下記で確認しておきましょう。
オープン外構
オープン外構は、フェンス・塀などをほぼ設けず、外部環境を遮断しない外構スタイルです。
設置する構造物が少ない開放的な外構スタイルなため工期は短くなり、目安工期は、1週間程度となります。
クローズ外構
クローズ外構は、敷地周囲を塀やフェンスで囲った、プライバシー性を高めた外構スタイルです。
周囲を囲うため設置する構造物も多く、工期も長くなります。目安の工事期間は、3週間~2か月程度となります。
セミクローズ外構
セミクローズ外構は、オープン外構とクローズ外構の双方の特性を兼ねた、一番多く施工されているスタイルです。
敷地境界用フェンスや目隠しフェンス、門柱・門塀を設け、プライバシー性を確保しつつも開放感ある外構スタイルとなっており、工事期間は、2週間から1ヶ月程度となります。
2. 外構工事の内容と工期
新築外構工事には、大小様々な内容の工事がありますが、標準的な工事内容としては、門扉・門柱工事、玄関アプローチ工事、駐車場工事、カーポート工事、フェンス工事などが挙げられます。
実際に工事が行われる際に確認できるよう、それぞれの工期をしっかりと把握しておきましょう。
主な外構工事内容と工期
- ブロック塀工事:約3~7日程度
- フェンス工事:約2~3日程度
- 門まわり工事:1~3日間程度
- アプローチ工事:3~7日間程度
- 土間コンクリート工事:3~5日間程度
- カーポート工事:1〜3日間程度
- テラス工事:1~3日程度
- ウッドデッキ工事:2~5日程度
- 植栽 :1~3日程度
※いずれも養生期間を除く。
3. 新築外構工事が遅れる主な原因
外構工事のスケジュールが乱れる原因には様々な要因があります。天候など避けられない場合もありますが、近隣トラブルなど事前に対応策を講じることが可能なケースもあります。
この章では、新築外構工事が遅れる主な要因と対応策についてご紹介します。
天候不良による遅れ
外構工事は屋外での工事が大半のため、天候に大きく左右されます。
雨天が続く時期や真冬の低温・降雪で仕上がりに影響を及ぼす時には作業をすることができません。
外構業者も予め天候のことを考慮して工事予定を組みますが、工期が伸びることも多々あるため、余裕を持ったスケジュール管理が必要です。
隣人とのトラブル
工事が遅れる原因として意外に多いのが隣人とのトラブルです。隣地境界があいまいで隣地所有者との合意が得られず問題に発展するケースがあります。
また、背の高いフェンス設置によって、日当たりや風通しの悪化により隣地に影響を与える可能性もあります。
外構工事では、隣地所有者や近隣住民の協力や理解を得ることは不可欠です。
工事進行だけでなく今後の生活にも影響を及ぼすため、外構業者と連携を図りながら、隣人立ち合いのもと工事内容を説明するなど、円満な解決策を探っていきましょう。
新築外構工事の失敗例&後悔例
外構工事後の失敗を避けるためには、工事前の計画が大切です。工事後に後悔する理由は様々ですが、共通する後悔ポイントがいくつか挙げられます。
この章では、そうしたよくある外構後悔例を5つ挙げ、それらを避けるための方法や具体的な解決策についてご紹介します。
1. 駐車場が使いづらい
新築外構工事後に後悔する意見で多いのが、駐車場の使い勝手への不満です。
駐車場を設ける際、車両サイズのみで判断するだけでは不十分です。ドアの開閉スペースや人が通るエリアの確保も必要です。
また、駐車の出し入れも考慮したレイアウトにすることも重要です。間口は十分確保されているか、並列 or 縦列 or L字駐車にするのかなど、敷地と前面道路との関係性も踏まえ、実際の使い勝手をイメージしながら計画を立てることが大切です。
2. 雑草処理が予想以上に大変
外構工事の予算を削ったことで、その後のメンテナンスに差がつくのが雑草対策です。
工事直後はキレイな状態で保たれていますが、春から秋にかけて砂利駐車場や天然芝部分に雑草が次々と生え、芝刈りや雑草処理の手間に悩まれる方が多くみえます。
エクステリアの美観を維持するには、雑草対策は欠かせません。定期的な手入れが苦手な方は、防草シートの活用やコンクリート化、人工芝工事を行うなど、雑草対策を計画に組み込むことも検討しておきましょう。
3. 外部からの視線が気になる
室内やテラス部分が、道路や隣地から見えることに不快感を覚える方も多くみえます。プライバシーを確保するためには、フェンスや植栽で視線を遮る工夫が必要です。
高さのあるフェンスを設置する場合は、防犯面や隣地への影響も考慮するようにしましょう。
部屋の中が暗く感じたり、庭スペースが狭く圧迫感を感じてしまうケースもあるので、必要箇所のみ設置するなどのプラン設計が大切です。
また、道路からの視線を遮りたい場合は、実際に通行人の視点で室内の様子を確認し、本当に必要なフェンス高を判断するようにしましょう。
4. 電源・水栓が無くて不便
外構工事で見落としがちな設備として、電源コンセントや水栓が設置されていないことがあります。
また、設置されていても使いづらい場所にあるケースも多く、暮らし始めてから工事を行うと電源工事やムダな解体費用が発生する場合もあります。
日常生活をする中でも、洗車や庭仕事に電源や散水が必要なシーンも多く、事前に設備を整えることが重要です。
生活動線や利便性を想定しながら、最適な場所に設置する計画を検討しておきましょう。
5. 夜間暗くて見えづらい
新築外構工事施工例
ここでは、ガーテリア施工の一般的な新築外構工事例をピックアップしてご紹介します。昼間の景観、夜間の照明具合など、外構プランづくりの参考にしてみてください。
まとめ
今回は、失敗しない新築外構工事についてご紹介しました。ポイントとしては、外構工事内容の優先順位を大まかに絞り、希望外構スタイルで施工した場合の目安費用の把握、信頼できる業者を選ぶことなどです。
また、失敗&後悔例を把握しておくことで、未然に対応策を練って最善な外構プランへとつなげることができます。
準備と計画が成功への第一歩です。失敗を避けるためにも、計画性を持った外構計画で、理想の外構に近づけていきましょう。