風水を取り入れた庭づくり
新築外構工事や庭リフォームを検討する際、風水を活かした庭づくりをしたいと思われる方もみえるのではないでしょうか。今回は、外構に活かせる風水の考え方、お庭に取り入れる方法について詳しくご紹介いたします。
風水の原則
①陰陽五行
風水は、陰陽五行という考え方に基づいています。陰陽は、天地の間にある一切の事象や物事は「陰」と「陽」で構成され相互作用しているという考え方、五行は「木・火・土・金・水」の5つ要素が循環作用している思想のことをいい、いずれもそれぞれが相互に関連し合って成り立っている考えを表しています。
②気の流れ
風水では、空間を流れる気のエネルギーが非常に重要と言われています。良い気の流れを持つ空間は、健康や幸福に良い影響を与えると考えられており、気の流れを妨げないような配置やデザインを考えることが大切です。
③バランスと調和
風水では、バランスと調和が大切です。対照的な配置や均等なデザインが、良い風水状態を作り出すと言われており、色彩や素材の組み合わせも、バランスと調和を保つために重要です。
④命理学との関連
風水は命理学とも密接な関係があります。風水的な配置やデザインは、個々人の命式(命理学での運勢や適性を分析するための情報)に合わせて行われることがあります。これにより、個人の運気や運命に良い影響を与えることが期待されます。
⑤清潔さと整理整頓
風水では、清潔さや整理整頓がとても大切です。乱れた空間や汚れた環境は、気の流れを妨げるだけでなく、運気を悪化させる可能性があると考えられており、常に清潔に保つといいと言われています。
これらの原則を考慮しながら、外構のデザインや配置を行うことで、良い風水状態を作り出し、より健康で幸せな生活を送ることができると考えられています。
風水を取り入れたシンボルツリーの選び方
外構計画でシンボルツリーを植える際、風水を取り入れてみてはいかがでしょうか?縁起の良い木を選ぶことで、日々の生活にもいい運気をもたらすかもしれません。
先にも述べましたが、風水の基本には、自然界の要素が「木・火・土・金・水」の五行に分類され、さらに「陰・陽」の性質に分けられると考えられています。日当たりを好む樹木は「陽樹」、日陰に強い樹木は「陰樹」と区別されます。
また、方角によっても五行の性質が異なります。「北・南・東・西」それぞれが特定の性質を持ち、これに合致する物や色を配置することで良い結果が期待されます。
シンボルツリーを選ぶ際には、五行の理論を踏まえた上で方角に合った性質を持つ樹木を選択し、さらに花色や実の色なども意識して配置することが大切です。
方角別におすすめのシンボルツリーをご紹介したいと思います。
方角風水診断:東
東は木の性質を持ち、仕事や発展・勉強運、南東は結婚や恋愛運に良い影響があると言われています。
おすすめのカラーは赤で、赤色の花や実を持つ樹木を東に植えると、家が栄えるとされます。
選ぶ際の注意点は、東側は日光が豊富な場所であるため、葉が茂り過ぎない樹木を選ぶことが大切です。また、白や黄色の花が付く植木は避けた方がよいそうです。
おすすめの木:センリョウ・マンリョウ・ツツジ・ツバキ・ハナミズキ・モミジ・モクレン等
方角風水診断:西
西は金の性質を持ち、金運や恋愛運に良い影響があると言われています。北西は出世運も含まれるため、金運アップに期待が高まります。黄色と相性が良いため、柑橘系の果樹や黄色い実がなるシンボルツリーがおすすめです。
北西には白やピンク、オレンジ色の花や実がなる樹木を植えると運気が高まります。また、レモンの木やキンカンは収穫体験を楽しみたい方や料理好きな方にぴったりです。
注意点として、金と相性の悪い火の性質を持つものは避けることが大切です。赤色の花や実がなる樹木は特に西側に配置しないようにしてください。
おすすめの木:ヤマブキ・クチナシ・モミジ・ナツメ・ダイダイ等
方角風水診断:南
南の方角は火の性質を持ち、人気運やビューティー運、知性と直感力、芸術などの運気に良い影響があると言われています。芸術的感性や美しさを磨きたい方、知性を高めたい方は、赤色や紫色の実や花が咲く樹木を選ぶと良いでしょう。
南の方角には大木は避けた方が良いです。陽光が入り込むため、先の見通しが利かなくなりがちです。そのため、高さを抑えてボリュームの少ない樹木を選ぶようにしましょう。
南の方角には白い花が咲く樹木は風水的に凶とされています。ウメは南の方角には適していますが、南西では運気を下げる可能性があるため、慎重に植栽するように注意してください。
おすすめの木:モミジ・カエデ・アジサイ・サクラ・梅・ツバキ・サルスベリ等
方角風水診断:北
北の方角は水の性質で、金運や信頼、恋愛運、北東は相続や不動産運、貯蓄運などの運気に影響があると言われています。ピンク、オレンジ、白のカラーの暖色系が相性が良いです。
北側は日差しが少ないため、耐寒性と耐陰性のある樹木を選ぶのがポイントで白花が風水的に良いと言われています。北の方角は赤色が好ましくないため、赤い花や実を持つ樹木は避けましょう。
北東は風水で鬼門とされ、不吉の方角として知られています。竹や笹などを植えることで、運気の清浄に役立つとされています。
おすすめの木:ハナミズキ・ウメ・サザンカ等
外構にシンボルツリーを植える際の注意点
家より大きな木は植えない
樹木を扱う上で最も注意すべき点は、家よりも大きな木を植えないことです。風水では、大きな木が土地の主体となり、幸福なエネルギーを吸収してしまうと考えられています。そのため、家よりも大きい木は好ましくありません。
また、樹木は成長するにつれて高くなります。運気を損なわないようにするためには、剪定や成長スピードの遅い樹木を選ぶことが大切です。
2本以上の木を植える
風水では、庭に樹木が1本しかない場合、「困」という漢字を連想させるため、2本以上の樹木を植えることを推奨しています。2本以上の樹木を植えることで、風水的に良い効果が期待されます。
また、シンボルツリー以外にもサブツリーを植えたり、窓の目隠しや道路からの視線を遮るための樹木を植えることもおすすめです。運気の向上だけでなく、外構の美観や快適な暮らしを実現することができます。
風水から見たお庭と外構の位置づけ
陰と陽のパワーバランス
風水では、建物の陽に対して庭は陰と位置付けられ、木には陽木と陰木があります。陽はアクティブなパワーで、東や南の方角に関連付けられます。
一方、陰はリラックスできるパワーで、西や北の方角に関連付けられます。家の中でも陽のパワーが必要な場所や陰のパワーが求められる場所があるので気になる方はチェックしておきましょう。
木の陰陽バランス
風水では、陽木と陰木の概念がありますが、縁起や吉凶とは関係しません。庭木には良いも悪いもありません。
例えば、モクレンが仏花であるからといって、縁起が悪いとは考えません。
また、庭に大きな木があると、建物の柱や梁は木のパワーを受けます。そして、そのパワーアップした柱や梁が家の中に良い影響を及ぼすでしょう。
建物の陰陽バランス
鉄骨造りやコンクリート造りの建物は無機質な鉄やコンクリート(陰)と庭木(陽)の陰陽バランスが建物に良い影響を与えます。庭付き一戸建て住宅では、きれいなお庭が建物の弱点を補ってくれます。
色の陰陽バランス
建物の外壁と色のバランスも大切です。 外壁が明るい陽の色ならば、庭には落ち着いた木を植えるようにします。逆に、外壁がグレーのような落ち着いた感じであれば、明るい色の花が咲く庭づくりをするようにしましょう。
高さの陰陽バランス
背の高い家が陽なら、陰のパワーを持つ庭づくりが必要になります。この場合、なるべく広い庭があれば、パワーバランスがとれ格好になります。高層の建物に狭い庭だと、パワーバランスが崩れやすくなります。
花壇
風水では、花壇を作る方角には吉凶はなく、どの方角に作っても悪いことは起こらないとされています。きれいな花が咲く花壇は運気をアップさせる効果があります。
玄関アプローチ
玄関外の風水ですごく大事なのが、道路から玄関扉までの玄関アプローチです。理想は幅が広く、距離が長いアプローチを作ることで、ここには玄関ポーチと階段も含まれます。こうすれば、外からどんどん良い気が流れ込み、住む人を幸せにしてくれるでしょう。
アプローチが大きく作れない敷地なら、玄関ポーチを大きく作ったり、鉢植えで観葉植物を飾ったりします。こうすれば凶相を避けることができます。
風水的にNGなこと
・外構に門がない。
・植物の緑がない。
・照明・街灯がなく、夜間暗い。
・掃除がされておらず汚い。
・置物がたくさんありすぎる。
・自転車で出入口が塞がれている。
などです。
今回は、風水を取り入れた庭づくりについて簡単にご紹介しました。外構で風水を取り入れる際に一番大事なことは、いつ訪問者が来ても恥ずかしくないように、日頃から綺麗に整えておくことです。
花や植物が元気で美しいお庭は、気の流れが良いといわれています。
庭から家の中へ良い運気を送り込み、住んでいる人の気分が上がるよう、今回ご紹介した情報を参考に、風水を取り入れてみてはいかがでしょうか。別記事で庭木の選び方も紹介していますので、外構づくりのヒントにご活用ください。