目隠しフェンスの選び方
隣地との境界を明確にしたり、近隣からの視線を遮るため等の理由で設置される目隠しフェンス。カーポート同様、各社様々な素材やデザインのアイテムを揃え、価格帯も幅広く展開されています。
目隠しフェンスを取り付けたいけど、どういった製品を選べばいいかわからないといった方々に、今回は、フェンスの種類や選ぶ際のポイントを施工事例と共にわかりやすく紹介したいと思います。
目隠しフェンスの設置目的は?
目隠しフェンスを設置する前に、設置目的は明確になっていますか?
- 隣地住人からの視線を遮りたい。
- ウッドデッキで周囲の人目を気にせず過ごしたい。
- 道路の通行人や車からの視線を遮りたい。
- 敷地や道路との境界を明確にしたい。
- 子供やペットの飛び出しを防ぎたい。
- 外部からの敷地内への侵入を防ぎたい。
など、目的が明確化されていると必要以上の出費やトラブルを回避することができます。デザイン性や機能性と共に設置目的も意識してフェンス選びを進めるようにしましょう。
目隠しフェンスのメリット&デメリット
家の外構における目隠しフェンスの主な役割は、周囲からのプライバシー保護や防犯対策のほか、隣地との境界を明確にすることです。フェンスを設置することによる、メリット&デメリットを挙げてみたいと思います。
▼メリット
- プライバシーを守ることができる
- 敷地の境界線を明確化できる
- 家の雰囲気や印象を変えることができる
- 防風・防音効果が期待できる
▼デメリット
- 陽当たりや風通しが悪くなる
- 高さがあるものを選ぶと圧迫感がある
- 広い敷地に設置する場合はコストがかかる
デメリットとなるポイントに注意して設置を行えば、安心できるプライバシー空間を実現できるほか、隣地境界においては、最低限の高さのフェンスを取り付けるだけでもその役割を果たしてくれます。
また、デザイン性の高いものを設置すれば、住宅や駐車スペースと合わせた一体感ある家周りの演出も可能です。
目隠しフェンスの素材の種類
スチールフェンス
耐衝撃に優れており、公園や駐車場でもよく見かけるフェンスです。
アルミフェンスに比べ安価なため、一般住宅でも、隣地との境界や広い土地の外周などによく利用されています。
アルミフェンス
住宅用としては、最もポピュラーで人気のあるフェンスです。軽くて雨風をしのぐ耐久性に優れており、価格帯も幅広いので、予算に合わせて選択することができます。
また、デザインの面でも多様なモデルが用意されているので、住宅イメージに合った製品を選びやすいでしょう。
衝撃性能に関しては、スチール製のフェンスに比べると落ちますが、日常生活レベルでは全く心配せず使用できるフェンスです。
木製フェンス
天然の木材を使用したフェンスです。天然木のため、優しい印象を与えてくれるので、植栽が多いお宅や自然豊かな住環境にお住まいの方によく利用されています。
アルミフェンス等に比べると、自然素材のため耐久性は劣り、年を経るごとに劣化していくので、定期的なメンテナンスが必要となります。現在は、木製フェンスに似せた樹脂製フェンスも人気を集めています。
目隠しフェンスよくある失敗例
フェンスを設置したものの「イメージと違う」「要望が満たされていない」など、しっかりと計画せずに設置したばかりに後悔やトラブルに発展するケースが後を絶ちません。ここではフェンス設置における失敗例を紹介します。
フェンスが高すぎた
プライバシー保護を重視するあまり、フェンスを目一杯高くしてしまうと、部屋の中が暗く感じたり、庭スペースが狭く圧迫感を感じてしまうケースがあります。
また、周囲から完全に遮断された状態の場合、空き巣被害に遭いやすい傾向も出ています。こうした事態にならないようフェンス設置前に、家の内部・外部から必要な高さを見極めておきましょう。
フェンスが強風で倒壊した
フェンスの高さ上限は、ブロック+目隠しフェンス仕様の場合は2.2mと定められています。ブロックを使わない独立基礎仕様の場合は2.2m以上の高さが可能です。
しかし、風圧に弱い独立基礎の場合、隙間のない高さのある目隠しフェンスを設置すると、強風による倒壊や破損の可能性が高くなり危険です。人災につながる場合もあるので、必要以上にフェンスを高くしないようにしましょう。
外構全体の一体感がない
外構予算を重視するあまり、外構全体の一体感が損なわれるケースがあります。
家周り全体をフェンスで囲もうとすると、どうしても工事費用も嵩んでしまいます。総額費用に目が向きがちですが、当初の設置目的を見失ってはいけません。設置の際の優先事項を明確にし、住宅に合った製品選びや高さを決めていきましょう。
目隠しフェンスの隙間が広すぎた
費用を気にするあまりアルミ使用量が少ない低価格モデルを選んでしまい、当初の目的であった外部からの視線を遮る役割が全く果たせていないケースがあります。
外構計画が最終段階に近づくと低価格モデルを選びがちですが、フェンスとしての役割を果たせなくなってしまっては元も子もありません。ある程度のプライバシー確保をご希望の場合は、15mm以内の隙間幅のタイプを選ぶようにしましょう。
フェンスが低すぎた
一般的に家の床面の高さは、周囲の道路面の高さより50~60cm高くなっています。盛土をしている場合はさらに差が出ているはずです。
外構演出のためのフェンスを設置する場合それほど高さを気にする必要はありませんが、外部からの視線を遮りたい場合は、実際に家の周りの道路から観察して地面からどの程度の高さが必要か判断するようにしましょう。
フェンスを選ぶ際のポイント
設置目的を明確にする
フェンスの役割は前述した通りですが、目的がはっきりしないまま設置してしまうと、予想以上に費用がかかってしまったり、当初の目的とずれが生じてしまったりと、暮らし始めてから後悔する場合があります。
防犯や周囲からの目隠し・隣地との関係性など、設置目的をはっきりと決めてから製品選びに入りましょう。
フェンスの高さは重要
フェンスを設置する際の最初のご相談で、プライバシーの観点から高さのあるフェンスを求める方が多くみえます。
高さのあるフェンスは、プライバシー確保ができる反面、隣地へ圧迫感を与えてしまったり、日差しが入りきらず部屋が暗くなってしまうケースがあります。
新築外構工事の際は、隣地所有者とトラブルになりやすいので注意が必要です(参照:失敗しない新築外構工事のポイント)。
また、防犯の観点からも、一度侵入してしまえば外部から見えづらくなるため、犯罪の危険にさらされる確率が高くなります。高さのあるフェンスを設置する際は、防犯面を考慮して必要な部分のみに設置するなどの対策を講じましょう。
住宅に合った風合い・デザインを選ぶ
外構フェンスの種類は、色・形状・高さなど様々な製品が展開されていますが、設置するフェンスによって家の雰囲気もガラっと変わってしまうので注意が必要です。
ナチュラルテイストの家には、木製フェンスやメッシュフェンスに植物を彩ると、住宅に合った雰囲気を醸し出すことができオススメです。
一方、白や黒基調のシンプルモダンな住宅には、アルミフェンスの直線的なデザインが、より一層住宅の景観を引き立ててくれるはずです。
現在発売されている大手メーカーのフェンスは、モダンからクラシックな装いまで住宅外観に柔軟に対応できる製品が豊富に揃っているので、各メーカーカタログを見て、住宅に合いそうなフェンスを事前にピックアップしておきましょう。
設置する場所も考慮する
フェンスを選ぶ際は、設置する場所も考えなくてはいけません。
広い敷地で家の周囲を囲うフェンスの場合は、周囲に圧迫感を与えない比較的シンプルなフェンスを選択してもいいかもしれません。
逆に、駐車場や玄関アプローチ前など家の正面に設置するフェンスの場合は、門柱と合わせたデザイン性の高いフェンスや、目隠しの役目が果たせる高さのあるフェンスを設けると住宅の品格もワンランクアップします。
このように、目的や場所によって変化をつけることで、外構全体のアクセントにもなり家の印象も随分と変わります。フェンスを選ぶ際は、図面やカタログを見るだけでなく、実際に家の外からも眺めて視線を確認し、設置場所に合った製品選びをするようにしましょう。
日差し&風の通りも意識する
フェンスには、目隠しをする役割がある反面、日光や風を遮ってしまうマイナスな面もあります。隙間の無い全面フェンスの場合、日差しが地面や部屋まで届かないため、冬は寒々しく感じたり、庭木の植物も育たない可能性があります。
また、ある程度風通しがないと、タイルデッキやウッドデッキ等を設置しても風が入って来ないため、季節感を感じることがなく閉鎖的な生活空間になりがちです。
そのため、フェンスを選択する際は日差しや風通しも考慮し、スリットの角度や密度で両方の機能を満たす最適なものを選ぶようにしましょう。
目隠しフェンスの費用感
目隠しフェンスを設置した際の費用相場は、一般的なアルミフェンスの場合20万円~80万円ぐらい(既存ブロック上に設置を想定)のご相談が多い印象です。アルミフェンス単体に価格差があり、施工面積によっても大幅に変わるため、見積をチェックする際は、施工の長さや設置枚数などを確認するようにしましょう。
また、一般的なアルミフェンスに比べ木製フェンスは高めで、逆にスチールフェンスはアルミフェンスより材料費は安い傾向にあります。
おしゃれ&リーズナブルなフェンスの紹介
フェンス設置を検討する際、予算の都合で当初の希望フェンスを付けることを断念する方も多いのではないでしょうか。
ここでは、そういった方々のために、隣地境界等の目的で使えるリーズナブルかつデザイン性も高いフェンスをご紹介します。シンプルなタイプにはなりますが、外構色を統一させたりすることで、価格を感じさせない質感が演出できます。
シンプルデザインが特長のメッシュタイプのフェンスです。ブラック色など複数色を展開し、住宅様式を問わず利用可能なフェンスです。
存在を主張し過ぎないシンプル形状フェンスです。笠木と柱の組み合わせで10種類以上のデザインパターンから選ぶことができます。
シンプルデザインが特長のメッシュタイプのフェンスです。ブラック色なアプローチまわりとコーディネイトしやすいフェンスです。洋風から和風まで幅広い住宅におすすめのデザインです。
シンプルな意匠と利便性を兼ね備えたフェンスです。ブラック色・ホワイト色のほかアタッチメントに木目調のものも用意されています。
笠木デザインとツートン色を含めた豊富なカラーバリエーションを持つフェンスです。高意匠でシンプルモダンな住宅にマッチします。
フラットなラインデザインが様々な住まいと外構スペースにマッチする形材フェンスです。ブラック以外にもホワイト・シルバー色も。
任意の位置に柱が取り付けられる施工性に優れたタイプのメッシュフェンスです。独自の製法で強度も強く、ブラック・ホワイト色もあります。
シングルメッシュ構造のフェンスです。遊び心ある独特の美しいフォルムで外構の魅力をより高まてくれます。赤・黄・青ほかカラー展開も豊富です。
外構フェンス施工事例
こちらでは、ガーテリアで施工した外構フェンスの施工事例をご紹介します。お庭まわり・玄関まわり・デッキまわりなど、設置場所・利用シーンに合わせた様々なフェンスの使い方が見て取れますので、ぜひ参考にしてみてください。
目隠しフェンスの工事費用を抑えるには
外構工事の中でも、駐車場工事と並び費用がかかるのがフェンス工事費用です。敷地面積に比例して部材の量や工期も長くなりがちなため、製品選択を誤ると思わぬ高額見積になりかねません。
外構予算が限られている場合は、周囲からあまり見えない部分は低価格グレードの製品を設置し、家の正面や周囲から目立つ道路側のみ高いグレードの製品を選択するなど、製品選択に幅を持たせることで費用も大幅に削ることができます。
フェンス工事以外の工事も行う場合は、他の外構工事費用と調整を図り予算を削減することも可能です。
目隠しフェンスについてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
防犯性やプライバシーの観点からも、できれば設置しておきたい工事の一つではありますが、外構工事の中でも思いのほか費用が嵩む工事です。
前述のとおり、複数のエクステリア工事を依頼する場合は、他の外構工事の費用相場を参考にしながら、最低限必要な部分のみフェンスを設置したり、植栽で代替するなど、ぜひ予算や目的に沿った最適な外構を築いてみてください。