家の庭にドッグラン
犬を飼われている方は、愛犬のために自宅のお庭にドッグランがあったらいいなと思うことはないでしょうか?
愛犬が楽しそうに庭を走り回る姿は、犬はもちろん飼い主にとってもきっと幸せな時間に感じるはずです。
今回は、そんな愛犬家の皆さんへ向けた、ドッグランを作る上でのポイントをまとめてみました。
ドッグランの素材選び
犬の足腰は、思いのほかデリケートです。地面からの衝撃を吸収するのはもちろん、肉球が汗をかいたり熱を感じたりと触覚器官としての役割も持ち併せています。
また、フローリングの住環境が普及するにつれ、足腰を痛めるケースも増えているのが実状です。
こうしたケガを最小限に抑え、健康な暮らしを愛犬に送ってもらうためにも素材選びは大切です。ここでは、ドッグランに適した人気の下地素材をご紹介します。
ウッドチップ(パークチップ)
ウッドチップは、土と違い愛犬の足が汚れにくく、天然木材なので安全性も高いためドッグランには最適です。雑草も生えにくく、お庭の手入れも楽になります。また、細かく砕かれているため、日当たりが良い場所ならシロアリの心配もなく安心してご利用いただけます。
さらに、ドッグランの地面の素材として使用されるウッドチップには、愛犬を守るための色々な効果があります。
消臭効果
犬の排泄物ですが、放っておくことで雑菌が増え、悪臭の原因となります。しかし、ウッドチップであれば、木が吸収してくれ、ウッドチップから出る香り成分が雑菌の繁殖を抑制し、除菌効果もあります。
犬に優しい素材
ウッドチップに使用されるスギやヒノキは弾力性があり、犬の足腰にかかる負担を軽減しくれます。土や人工芝と比較しても、クッション性に優れ、優しい天然素材のため安心です。
暑さ対策
夏場は、犬にとって最も苦手なシーズンとされていますが、ウッドチップは、コンクリートやタイルに比べ、夏の暑さに対しても有効です。夏の強い日差しの照り返しが無く、急激な温度上昇を防ぐ効果があります。
また、雨が降った際も、木が保水した水分を蒸発する際の気化熱により、周囲より涼しく感じます。さらに、足元が熱くならないため、真夏でも快適に過ごせます。
人工芝
人工芝の場合、天然芝と違い、1年中綺麗な緑の景観を楽しむことができ、そこで愛犬を遊ばせてあげることができます。また、芝の種類も豊富に揃っているので、色目や長さなどお好みでお選びいただけます。
愛犬に汚れや虫が付きづらく清潔
人工芝を敷く前に、しっかりと防草シートで雑草対策をするため、良質な施工を行うことで草や害虫の心配がほとんどいらなくなります。天然芝と比べると清潔で気軽に遊ぶことができるでしょう。
掃除が簡単
人工芝は、天然芝に比べ掃除も簡単です。基本的には、掃除機をかけたり、雑巾やモップで汚れを拭き取ったりするだけです。落ち葉が多い場合は、竹ぼうきなどで掃除するだけ簡単にきれいになります。
足腰に優しい
人工芝もウッドチップ同様クッション性が高く、コンクリートなどに比べ犬の足腰への負担は軽減できます。芝の密度が高いほどクッション性に優れており、タイル等と違い滑る心配もないので、足元の不安な愛犬にも安心です。
芝が熱くなる場合も
人工芝は、プラスチック素材でできており熱を吸収しやすいため、芝が熱くなる時があるので注意が必要です。
夏場は、シェードなどで日陰の場所を多く作るか、ドッグランの一部に留めておいた方が良いでしょう。
初期費用は高め
天然芝に比べ価格が高めです。しっかりと良質な施工を行った場合、約10年程度はもちます。日々のお手入れなども含め長い目で見れば人工芝もコストパフォーマンスが良いアイテムといえるでしょう。
人工芝をDIYすることも可能ですが、安価な防草シートの利用で施工がしっかりとできていなかったり、人工芝のつなぎ目に隙間ができてしまい雑草の繁殖や剥がれの原因となるなど、後々手入れが大変なケースが多いので、専門業者に依頼することをおすすめします。
天然芝
天然の芝生は手入れが必要ですが、夏も涼しく過ごせるようになります。最近はTM9という成長が遅い芝生があり、草刈りをする頻度が少なるためオススメです。また、四季のある日本では、生きた芝生は、季節によって色々な表情を楽しむことができます。
愛犬の足の負担が少ない
天然芝の場合、芝の下が土なので柔らかく、犬の足腰にかかる負担を軽減できます。散歩に行けない足腰に不安がある犬でも、身近な環境で安心して見守ることができます。
初期の施工費用が安い
人工芝に比べて天然芝の初期費用は、比較的お値打ちな価格で施工を行うことができます。とにかく、初期費用を抑えたい方は天然芝がおすすめです。長期的にみると、芝刈りや除草などにかかってくる施工後の維持管理費用のことを考えるとランニングコストが意外とかかってくるでしょう。
メンテナンスが大変
天然芝は、季節ごとの草刈りや水やりなどメンテナンスが必要になってきます。雑草が生い茂ってしまうと、虫の発生にも繋がります。芝の種類や施工の質によって、芝自体の生育具合や雑草の生える度合いも変わってくるので、芝の管理が難しい方は、他の施工方法をおすすめします。
また、犬の糞尿で枯れる場合もあるので、随時洗い流すか、芝の上で用を足さないようしつけするなどの対策が必要です。
ドッグランに必要な設備
ドッグランを作る際に忘れがちなのが各種快適設備です。芝を敷いて柵を設ければ完成と思いがちですが、それだけでは愛犬も満足しないはずです。少しの機能追加で、愛犬も飼い主も便利で快適な時間が過ごせるものばかりです。ぜひ、ドッグランを作る際の参考にしてみてください。
フェンスの設置
ドッグランを設ける際は、犬が外に出て行ってしまわないよう、必ず周囲をフェンスで囲うことが大切です。
種類としては、ネットフェンス、メッシュフェンス、目隠しフェンス、樹脂製フェンス、アルミ製フェンスなどがあります。
選ぶポイントとしては、必要な高さがあるか、強度はあるか、すり抜け防止対策ができているかなどに注意しましょう。
水栓設備
ドッグランの一角に、足の洗い場を設置するととても便利です。タオル等でも足の汚れは拭き取れますが、愛犬に水を与えたり、夏場に体を洗ってあげたり、人工芝や芝のお手入れなどに利用したりと、立水栓や水栓パンがあるだけで外周りの利便性がすいぶんと高まります。
さらに、お庭でのバーベキューや、お子様のプール遊びなど、ガーデンライフの満足感を高めてくれるアイテムとして、ぜひ検討してほしい設備のひとつです。
ドッグポール(リードフック)
ドッグランの周囲の囲いが低い場合や、大型犬で敷地内でもリードが必要な場合に、リード固定用のドッグポールがあると便利です。ドッグポールがあれば、万が一の脱走や目が届く範囲で遊ばせることもでき便利です。
犬の出入口
ドッグランをフェンスで囲った際、犬が出入りできる扉も設ける必要があります。
設置する扉は、犬が簡単に開閉できない仕様のものを設置するようにしましょう。大型犬の場合は、飼い主の閉め忘れも考慮して二重扉を設ける場合もあります。
トイレスペース
ドッグランの隅にトイレスペースを設けておくと、芝枯れなども防げて便利です。
人工芝やウッドチップの場合でも、余分な雑菌を繁殖させず、遊び場を清潔に保つことができ安心です。
日除けスペース
夏場の暑さは、犬にとっては大敵です。夏の外遊びで興奮して走り回り、その後ぐったりしているワンちゃんをたまにみかけます。ウッドチップ敷きの場合、比較的涼しく過ごせますが、それでも真夏の猛暑は危険水域です。
テラスにオーニングやシェード、タープなどで休憩できるスペースを設け、愛犬が快適に過ごせる空間を設けてあげましょう。
今回は、ドッグランについてご紹介しました。愛犬が楽しめる空間を設けることで、これまで以上に触れ合う時間が増えると共に、大好きなワンちゃんが遊びまわる姿がきっと心を和ませてくれるはずです。
お庭をお持ちの愛犬家の方は、ぜひこの機会に愛犬の快適空間づくりを考えてみてはいかがでしょうか?