外構工事の費用相場

外構工事費用

外構工事の費用は、製品の種類が多岐にわたり、設置場所や土地の形状にも影響されるため非常にわかりづらく複雑です。依頼する側にとってみれば、費用感が把握しづらく、見積書を精査するだけでも一苦労です。
ここでは、そうした悩みを少しでも解消できるよう、外構工事の費用相場を様々な視点から検証し、ご紹介したいと思います。

依頼前に知っておきたい住宅外構工事の費用相場

一般的な外構工事の費用相場は、住宅建設費の約5~10%前後と言われています。
新築外構に限っていえば、約60%の方が100~300万までの間で外構工事を行っています。
また、土地全体の敷地面積が広い場合は、当然費用も高くなりがちなため、敷地面積(平米)×1万円程度を目安と考える場合もあります。
このように、施工する現場環境や設置する製品グレードにより費用差が大きいため、外構工事の見積りを依頼する前に、費用帯ごとにどの程度の外構工事が可能か把握しておきましょう。

外構工事費用50~100万円の場合

50~100万円の外構工事では、駐車場のコンクリート舗装やシンプルなフェンスの設置、簡易的な庭の整地や植栽が主な施工内容になります。価格帯的には予算を抑えつつ外構を整備したい方に適しており、戸建て住宅の基本的な外構工事をカバーしています。
また、駐車場の砂利舗装や一部をDIYで行うことで、コストをさらに削減することもできます。シンプルなデザインや最低限の機能を重視する方におすすめの価格帯です。

外構工事費用が50~100万円の施工例
外構工事費用が50~100万円の施工例

外構工事費用100~200万円の場合

100~200万円の予算があれば、門柱はじめ駐車場のコンクリート舗装や目隠しフェンスの設置、ウッドデッキの設置など、デザイン性や利便性を兼ね備えた外構工事が可能です。庭全体のリフォームや人工芝の敷設、夜間照明なども規模によっては含めることもできます。
新築外構工事では、駐車場玄関アプローチ、庭の整備をバランスよく組み合わせたプランが構築できます。機能性と見た目の両方をバランス良く重視したい方に最適です。

外構工事費用100万円以上
外構工事費用が100~200万円の施工例

外構工事費用200万円以上の場合

200万円以上の外構工事では、全面的な外構リフォームや高級感ある素材を使用したデザイン性の高い外構工事が可能になります。駐車場の広範囲な整備に加え、門塀や塀の設置、タイルデッキやガーデニングスペースの構築など、美観と機能的な面も考慮した外構が実現します。
また、目隠しフェンスカーポート、外構全体を彩る照明設備も取り入れられます。広い敷地の住宅や高級住宅向けの外構プランを検討している方におすすめの価格帯です。

外構工事費用が200万円以上の施工例
外構工事費用が200万円以上の施工例

外構スタイル別で検証!外構工事の費用相場

一般住宅における外構スタイルには、開放感のある「オープン外構」、プライバシーとセキュリティを重視した「クローズ外構」、その中間にあたる「セミクローズ外構」があり、それぞれ特徴や費用も異なります。ここではこれら3つのスタイルの特徴と費用相場をわかりやすく解説します。

オープン外構の費用相場と特徴

工事費用の目安:約50~150万円
オープン外構は、フェンス・塀などをほぼ設けず、外部環境を遮断しない外構スタイルです。周辺に住宅が密集していない住環境や、敷地面積が狭く十分な外構設備が設置できないケースなどに導入されています。
設置する構造物が少ない開放的な外構スタイルなため、工期も短く費用も安くなります。

オープン外構
新築外構オープン外構施工例

オープン外構のメリット

  • 開放感があり、敷地を広く使える
  • 工事費用を抑えることができる
  • 積雪地帯で雪かきの作業が楽になる

オープン外構のデメリット

  • 周囲からの視線が気になる
  • 防犯性が低い
  • 子供・ペットが飛び出す危険性がある

クローズ外構の費用相場と特徴

工事費用の目安:約200万~
クローズ外構は、敷地周囲を塀やフェンスで囲った、プライバシー性を高めた外構スタイルです。周囲を囲う仕様により、設置する構造物も多く工期も長いため、工事費用も高くなる傾向にあります。

クローズ外構
クローズ外構

クローズ外構のメリット

  • プライバシーが確保できる
  • 子供・ペットが飛び出す危険性がない
  • 個性的な外構空間を演出できる

クローズ外構のデメリット

  • 周囲を囲むため工事費用が高い
  • 閉鎖的な空間になる
  • 死角部分に防犯対策が必要

セミクローズ外構の費用相場と特徴

工事費用の目安:約120~250万円
オープン外構とクローズ外構の双方の特性を兼ねた、一番多く施工されているスタイルです。
敷地の一部もしくは全部にフェンスを設けたり、玄関まわりやリビング前にプライバシーを高めた目隠しフェンスなどを配すなど、オープンエリアとクローズエリアをすみ分けし、各々の場所に適した製品を設置するスタイルとなります。

セミクローズ外構
新築外構セミクローズ外構施工例

セミクローズ外構のメリット

  • プライバシーを確保しつつ開放感も味わえる
  • 工事費用の調整がつきやすい
  • 周囲に圧迫感を与えない

セミクローズ外構のデメリット

  • プライバシー確保が難しい場合がある
  • 製品の組み合わせ方に工夫が必要

外構工事内容別で検証!外構工事の費用相場

外構工事の費用感は、工事内容や使用する素材によっても大きく異なります。「駐車場のコンクリート施工にはいくらかかるの?」「カーポート設置の目安は?」といった疑問を持つ方も多いかと思います。ここでは、駐車場工事、フェンスやカーポート工事、門柱や玄関アプローチ工事など、外構工事の内容別に費用相場をご紹介します。

門まわり工事の費用相場

工事費用は10~80万円程度
門柱・門塀・ポスト・表札などの一体工事です。塀などを造作して宅配ボックスを付けたり、すべての機能が付いた機能門柱などがあります。

外構門柱工事
門柱&宅配ポスト施工例

玄関まわり工事の費用相場

工事費用は15~70万円程度
敷地入口から玄関に至るまでの玄関アプローチ部分の工事です。日々通行する場所なので、デザインのみならず安全性にも配慮した工事が必要です。石材やアプローチの長さで費用も変動します。

外構アプローチ工事
玄関アプローチ施工例

駐車場コンクリート工事の費用相場

工事費用は15~30万円程度
駐車場スペースを土間コンクリート施工する工事です。駐車場をコンクリート化することにより、雨の日でもぬかるみにならず快適性が増すほか、土埃対策にもなり、手入れも楽になります。

駐車場コンクリート施工例
外構駐車場コンクリート工事

カーポート工事の費用相場

工事費用の目安:10~120万円程度
雨・雪・霜除けのカーポートを設置する際は、耐久性を考慮して設置面をコンクリート施工するのが基本です。製品自体は、1台~3台用や耐雪・耐風仕様など豊富に揃っており、デザイン性によっても価格が大幅に変わります。

外構工事カーポート2台分
カーポートSC施工例

ガレージ工事の費用相場

工事費用の目安:80~250万円程度
ガレージ設置工事は、本体価格のほか、組み立てや基礎工事も必要となり工期が長くなるため、工事費用も高くなりがちです。ガレージ内部の加工や照明等を設けるとさらに費用も高くなります。

外構ガレージ工事
ガレージ施工例

フェンス工事の費用相場

工事費用の目安:10~80万円程度
フェンス工事は、目隠しや隣地境界を明確にするための設備工事です。スチール・アルミ・木製などの材質があり、製品グレードにより価格差も大きく、敷地面積の影響を受けやすいため、外構工事の中でも思いのほか費用がかさむ部分でもあります。

目隠しフェンス施工例
目隠しフェンス施工例

目隠し塀工事の費用相場

工事費用の目安:30~150万円程度
クローズ外構によく設置されるプライバシー性を高める塀工事です。塀の高さや全長、材質により大きく変わってきます。一般的な化粧ブロックや塗り壁塀から、丈夫ですが工期も長いコンクリート塀などがあります。

目隠し塀施工例
外構工事目隠し塀

タイルデッキ・ウッドデッキ工事の費用相場

工事費用の目安:10~70万円程度
主にお部屋の延長空間として利用されるタイルデッキウッドデッキの設備工事です。床材にタイルや人工木を利用した仕様が一般的です。タイルの種類や木目の質感で価格差があり、天然木ハードウッド仕様で施工した場合も高くなります。屋根や目隠しフェンスなどを付けた場合は、さらにプラスされます。

外構テラス工事
ウッドデッキ施工例

人工芝敷設工事の費用相場

工事費用の目安:0.5~1.4万円程度
人工芝工事は、雑草のお手入れ手間を無くし、お庭や外構全体を長期に渡って美しく保つための人気の外構工事です。ホームセンター等でも安価に販売していますが、芝の品質・耐久性は明らかに劣るため、長い目で見ると業者に依頼した方がお得です。使用する人工芝のクオリティや耐久性によって費用が変動します。
※費用は、1平方メールあたり。下地処理や芝の固定作業含む。

新築外構人工芝施工例
新築外構人工芝施工例

テラス囲い(サンルーム)設置工事の費用相場

工事費用の目安:40~100万円程度
テラス囲い(サンルーム)工事の費用は、設置するサイズやオプションによって大きく異なります。一般的なポリカーボネート屋根のテラスは40万~100万円程度で設置可能ですが、床部分が基礎工事を必要とするタイル貼りなど本格的なサンルーム仕様になると100万円を超える場合もあります。
日除けや雨除け機能を兼ね備えた屋根付きテラスは、庭まわりの利便性を高める人気の外構工事です。

テラス囲い施工例
サンルーム施工例

外構照明工事の費用相場

工事費用の目安:10~25万円程度
門まわりカーポート、敷地内部など、防犯対策や外構装飾に利用される工事です。LED照明の普及により高寿命製品が増え、外構工事で利用されるケースが増えています。

外構照明工事
外構照明工事

庭木・植栽工事の費用相場

工事費用の目安:5~20万円程度
門まわりやお庭まわりの緑の演出となるシンボルツリーや割栗石などの設置工事です。外構の装飾のみならず、フェンスの代わりにプライバシー確保でも利用されています。樹木の数や木の種類、施工面積により変動します。

外構植栽工事
外構植栽工事

外構工事費用を抑えるポイント

外構工事の費用は、プラン設計の工夫次第で大きく抑えることも可能です。新築外構の場合、住宅に予算をかけ過ぎてしまい、外構工事の内容が理想とかけ離れてしまうケースをよく見かけます。事前に、これまで紹介した各工事の費用感を把握し、計画性ある外構工事を進めていきましょう。
ここでは、予算内で満足のいく外構を実現するためのヒントをいくつかご紹介していきます。

工事内容に優先順位をつける

初めて外構工事を依頼する際、アレもコレもと理想を追い求めすぎてしまい費用が膨らんでしまう場合があります。そうなる原因のほとんどが、工事の優先順位が決まっていないからです。
まずは、必要最低限な工事内容を順にランク付けし、大まかな費用感を把握しておきましょう。予算が余るようなら、追加工事を加えたり、製品自体をアップグレードするなど、徐々に選択肢を広げる方法がオススメです。

外構工事優先順位
シンプルな新築外構施工例

工事内容や各エクステリア製品選びを再検討する

エクステリアアイテムは、デザイン性や機能性が高いほど、工事全体の費用も高くなりがちです。
予算オーバーしてしまう場合は、製品グレードを下げたり、違うメーカーでコストパフォーマンスに優れた製品がないか探してもらうなど、メリハリを付けた製品組み合わせにトライしてみましょう。

例えば、カーポート工事なら、人気のアルミ屋根タイプから一般的なポリカ仕様へ変更したり、隣地に既存フェンスが設置してある場合は、その面のフェンス工事をやめておく、駐車場工事なら、コンクリート施工の一部を砂利に変更するなどの代替案でコスト圧縮が図れます。

まとめて依頼し費用を抑える

外構工事の費用を抑えるためには、複数の工事をまとめて依頼することも効果的です。例えば、駐車場工事・庭工事・フェンス工事などを個別に依頼すると、それぞれに施工準備費や人件費、運搬費が発生します。一方、一括して依頼することで、これらの重複コストを一部削減できます。

また、業者にとっても、効率的なスケジュール調整ができ、案件管理がしやすくなります。同時発注により割引対応してくれる場合もあるので、少しでもコスト削減したい方は交渉してみましょう。

外構工事の施工範囲を見直す

先述した、優先順位を付けて最低限の工事だけを行い、余裕ができてから段階的に工事を進める方法もあります。この場合、数年生活してから工事を行うので、暮らしに本当に必要性があるのかゆっくり検討する余裕も生まれ、より費用的に無駄のない工事選択が可能です。
家族構成や生活様式の変化など、ゆっくりとライフサイクルに合わせて住環境を築いていきたい方にオススメです。

DIYでできる部分を取り入れる

外構工事の中でも、ご家族やご自身で施工対応な工事はいくつか存在します。以下は、いずれもホームセンターやECサイト等で購入できるものばかりです。購入後、ご自身で設置作業を楽しむことで、コスト削減のみならず、お庭や外構にも愛着が生まれるので、DIY好きな方にはおすすめです。

  • 敷地内の砂利敷きやレンガ敷き
  • 立水栓の取り付け
  • 植栽の選定・植え込み
  • 防草シートや人工芝、天然芝の設置
  • 表札・宅配ポストの設置
  • 簡易型ウッドデッキの設置
  • 枕木や置石アプローチの敷設
  • 物置きの設置 ほか
外構工事DIY
防草シート施工例

複数業者から見積もりをとってみる

初めて外構工事を依頼する場合、各工事内容が適正なのか判断が難しい場合があります。
もし、判断に迷った場合は、複数業者から見積もりをとることも選択肢の一つです。
プラン内容が、各社で若干違いが出るため、同じ土俵で比べることは難しいですが、各工事項目で共通する部分を比べ相場感を掴むだけでも参考になると思います。見積書を比べる中で気になる点があれば必ず担当者に確認し、納得できるまで話し合うようにしましょう。

注意点としては、総額費用だけで比較しないことです。必要な工事内容や処分費が曖昧だったり、作業を行う職人レベルが低いケースもあります。項目ごとの費用詳細を確かめたり、安くできる理由を聞くなど、焦らず時間をかけて慎重に検討するようにしましょう。

外構工事打ち合わせ
外構工事打ち合わせ

注意したい外構業者選び

外構業者を選ぶ際に注意しておきたいことは、「費用の高低にあまりこだわりすぎない」ということです。
ネットの比較サイトやホームセンター等で紹介された、格安外構業者の手抜き工事による外構修繕相談が年々増加傾向にあります。
業者選びでは、どうしても工事費の金額に目が行きがちですが、必ずしも費用が安い=良い外構業者というわけではありません。

「見積もり内容に不自然な点がないか」「工期が短すぎないか」「施工時の作業内容に不審な点はないか」など、災害時の倒壊などで二次災害を防ぐためにも、金額以外の面でも信頼できるかどうか判断していきましょう。
特に新築外構工事では、この先10年20年と使い続けるものだけに、可能な限り業者選びは慎重に行うことをおすすめしています。


今回は、外構工事にかかる費用相場についてご紹介しました。
新築外構庭リフォームなど複数の工事を同時に行う場合、見積内容も複雑になるため費用感が掴みづらくなります。不明瞭な見積項目があればすぐに確認し、工事内容の把握と費用感を養いましょう。

また、カーポートフェンス門柱などの各種エクステリアの製品構成も事前に把握することで、理想の外構に近づくヒントが見つかるはずです。新築で外構工事を依頼する場合は、失敗しない新築外構工事のポイントも参考にして、早めの行動で納得できる外構を実現してみてください。


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