「春の七草」と「秋の七草」

9月に入り、朝夕は少しずつ涼しくなってきましたね。さわやかな風が吹くようになり、秋の七草も咲き始めます。
皆さんは、「春の七草」と「秋の七草」があることはご存じでしょうか?
春の七草は、芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・繁縷(はこべら)・仏の座(ほとけのざ)・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)の7種類あります。
この野菜を刻んでつくったお粥のことを七草粥といいます。
1年の無病息災を願い、1月7日に食べられる方も多いのではないでしょうか。
春の七草は食べることができますが、「秋の七草」は何かの行事や食べたりするものではなく鑑賞するものになります。園芸品種も作られている為、お庭で秋を感じたい方にもおすすめです。
秋の七草は、萩(はぎ)・薄(すすき)・葛(くず)・撫子(なでしこ)・女郎花(おみなえし)・藤袴(ふじばかま)・桔梗(ききょう)の7種類あります。
どれも夏の終わり頃には咲き始め、秋の訪れを告げる初秋の花です。秋の七草は古くから親しまれてきた花ばかりですので、注意してみると、意外と身近な場所でも見つけることができます。
秋の七草
①ハギ

マメ科で丸みのある葉と紫の可愛らしい花が特徴です。マメ科の植物は根粒菌という、根っこにする菌と共生しています。日当たりと水はけさえ良ければ、根粒菌が植物に必要な栄養分を作ってくれるので良く育ちお庭でも育てやすいです。
②ススキ

秋の七草の代表格のススキ。お月見のお供えに使われます。実はお月見の日は稲の収穫時期より早いため、すすきが代わりに使われたといわれています。
お庭に植える時には、鉢植えにしたり根本を樹脂製の波板で囲うなどし根が成長するのを防ぎ大きくなりすぎない様に注意が必要です。
③クズ

漢方の「葛根湯」や和菓子の「葛餅」など食用や薬用として用いられてきた馴染みのある植物です。マメ科の植物のつる性で、花は穂のように立ち上がりながら咲きます。1年で10m程伸びるといわれており、成長が早く雑草化してしまうこともありお庭向きの植物ではありません。
④ナデシコ

「大和撫子」という言葉があるとおり、とても可愛いお花です。カーネーションやカスミソウも実はナデシコの仲間で、たくさんの品種があります。園芸品種もたくさんあり、洋風のお庭に合う花が多いです。
⑤オミナエシ

レースのような優しい黄色い小さな花を咲かせます。夏の終わりから秋にかけて黄色い花が咲き、お庭でも日当たりが良ければ良く育ちます。漢字で書くと「女郎花」ですが、名前の由来は「オミナ(女)」+「ヘシ(圧し)」で、他の女性を圧倒するほど美しいという誉め言葉です。
⑥フジバカマ

糸のような細い花弁が咲くフジバカマです。繊細な見た目で、香りもよいです。日本では、絶滅危惧種で貴重な植物だそうです。
⑦キキョウ

濃紺や白い星形の花びらが特徴の美しいキキョウです。家紋に使用されていることも多く明智光秀の水色桔梗紋は有名です。野生の桔梗は絶滅危惧種に指定されており、野山で見かけることができたらとても貴重です。園芸品種では多くあり、お庭でも多年草として育てられるので和風の寄せ植えなどにおすすめです。

秋の七草は日本の気候風土に合った植物ですので、庭植えにするとほとんど手を掛けなくても元気に育ってくれるそうです。ぜひガーデンに取り入れてお庭で秋の風情を味わってみてください!